第144章

島宮奈々未はただの擦り傷で、検査を済ませるとすぐに駆けつけた。

丹羽光世の回復力は実に驚異的だった。頭を棒で殴られ、あれほどの血を流したにもかかわらず、その顔色からは微塵も虚弱さを感じさせない。

「大丈夫だ」

丹羽光世が手を差し出すと、島宮奈々未はその上にそっと手を重ねた。彼は軽く引き寄せ、彼女を腕の中に抱きしめる。

「怖かったか?」

「ええ」

今夜起きた出来事を思い出し、島宮奈々未はまだ胸の鼓動が治まっていなかった。

もし夏目海人と夏目太郎をすぐに見つけられていなかったら、取り返しのつかないことになっていた。

もし夏目秋生が玉堂会館の近くに伏兵を配置していなかったら、丹羽光...

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